Column
からたちの花
先日、ラジオ番組の生演奏で「からたちの花」を演奏しました。
作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰の名コンビによるもので、
1925年の作品です。
枸橘はミカン科の植物で、5月ごろに咲きます。
実はまんまるく黄色いですが、食べられることはなく
トゲがあるため、よく生垣につかわれていたそうです。
歌詞
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
からたちのとげはいたいよ。
靑い靑い針のとげだよ。
からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかつたよ。
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
からたちにかくれて泣いた思い出は、
山田耕筰が早くに父親を亡くし、
家計のために働いていた幼いころの思い出でした。
北原白秋が生涯忘れなかった
ふるさとのからたちの垣根の風景と結びつき、
美しく開花した歌なのです。